形容詞句・形容詞節の識別を行い、2語以上からなる形容詞のカタマリで、前の名詞を修飾しているかを理解し、全体の文の構造を理解します。
形容詞句の識別で英文が読める
形容詞句は2語以上からなる、SVのない形容詞のカタマリで、前の名詞を修飾します。
句の中にはSVが入らないことを根拠に意味ののカタマリを見つけます。
形容詞句のパターンは3つあります。
1.前置詞 → 名詞の後ろの前置詞句
2.不定詞の形容詞的用法 → 名詞と S V 、V O 、同格関係
3.分詞(現在分詞・過去分詞)→ 分詞の形容詞用法
以下に詳しく見ていきましょう。
1.前置詞 → 名詞の後ろの前置詞句
例
The gap (between ideal and reality) has created pain.
理想と現実のギャップが、苦しみを作り出してきた。
between は前置詞で、後ろに A and B をともない、前置詞句をつくります。
between から前置詞句のカタマリが始まります。
句の中に S V は入らないので、 has created の手前でおわります。
前の名詞 The gap を修飾して、「理想と現実の間のギャップ」に意味になります。
前置詞は名詞の後ろに置くと形容詞のカタマリを作って、前の名詞を修飾します。
2.不定詞の形容詞的用法 → 名詞と S V 、V O 、同格関係
例1
He is the first person (to study viruses).
彼がウイルスを研究した最初の人だ。
to study は不定詞の形容詞的用法です。
形容詞句「~する(ための)」をつくり、前の名詞を修飾します。
to study viruses が「ウイルスを研究した」という形容詞句で、the first person を修飾します。
不定詞の形容詞的用法は、形容詞句のカタマリを作り、前の名詞を修飾します。
ここでの the first person と study は S V の関係です。
例2
I have no friends (to talk to in English).
私には、英語で話す友達が一人もいない。
to talk は不定詞の形容詞的用法です。
形容詞句「~する(ための)」をつくり、前の名詞を修飾します。
to talk から English までのカタマリが「英語で話す」という形容詞句で、前の no friends を修飾します。
ここでの to talk と no friends は V O の関係です。
例3
The student has the ability (to get better grades).
その生徒は、もっと良い成績をとる能力がある。
to get は不定詞の形容詞的用法です。
形容詞句「~する(ための)」をつくり、前の名詞を修飾します。
to get から grades までのカタマリが「もっと良い成績をとる」という形容詞句で、前の the ability を修飾します。
ここでの to get better grades と the ability は 同格関係です。
3.分詞(現在分詞・過去分詞)→ 分詞の形容詞用法
例1
The man (standing by the wall) is a famous actor.
壁のそばに立っている人は、有名な俳優だ。
standing は現在分詞です。「~に立っている」という形容詞句をつくり、前の名詞を修飾します。
standing から形容詞句のカタマリが始まり、句の中に S V は入らないので、is の手前までと決定します。
「壁の前に立っている」という形容詞句で、The man を修飾します。
現在分詞は「~している」という形容詞句のカタマリをつくり、前の名詞を修飾します。
現在分詞は動名詞と同じ形ですが、役割が違います。
例2
Fruits (sold in the supermarket) are often frozen.
スーパーマーケットで売られているフルーツは、凍っていることが多い。
sold は過去分詞です。「~で売られている」という形容詞句をつくり、前の名詞を修飾します。
sold から形容詞句のカタマリが始まり、句のなかにSVは入らないので、are の手前までと決定します。
「スーパーマーケットで売られている」という形容詞句で、Fruitsを修飾します。
過去分詞は「~れる・~られる」という形容詞句のカタマリを作り、前の名詞を修飾します。
形容詞節の識別で英文が読める
形容詞節は2語以上からなる S V のある形容詞のカタマリで、前の名詞を修飾します。
1つの節には S V を1つを根拠に意味のかたまりを見つけます。
形容詞句との違いは S V があることです。
形容詞句のパターンは3つあります。
1.関係代名詞 → 形容詞節をつくって前の名詞を修飾
2.前置詞+関係代名詞 → 前置詞から形容詞節で名詞を修飾
3.関係副詞 → 形容詞節をつくって前の名詞を修飾
以下に詳しく見ていきましょう。
1.関係代名詞 → 形容詞節をつくって前の名詞を修飾
例
The woman (who entered the room) was my mother.
その部屋に入った女性は、私の母だった。
who は関係代名詞です。 who から形容詞節が始まります。
1つの節に S V は1つですので、2個めの V の was の手前で終わります。
The woman を修飾して、「その部屋に入った女性」となります。
関係代名詞は、形容詞節をつくり、前の名詞を修飾します。
関係代名詞自体は訳しません。
2.前置詞+関係代名詞 → 前置詞から形容詞節で名詞を修飾
例1
I can't find the bag (in which I put my wallet).
財布を入れたバッグが見つからない。
in which は前置詞+関係代名詞です。
in which I put my wallet 「私が財布を入れた」という形容詞節をつくり、the bag を修飾します。
前置詞+関係代名詞は、前置詞から意味のかたまりが始まり、形容詞節をつくって前の名詞を修飾します。
前置詞+関係代名詞自体は訳しません
例2
She is married to an actor (of whom you have heard).
彼女は、あなたが聞いたことがある俳優と結婚している。
of whom you have heard 「あなたが聞いたことがある」の形容詞節が、an actor を修飾します。
of whom 自体は訳しません。
例3
E-mail is a convenient way (by which we communicate).
Eメールは、意思疎通する便利な方法だ。
by which we communicate 「私たちが意思疎通する」の形容詞節が、a convenient way を修飾します。
by which 自体は訳しません。
3.関係副詞 → 形容詞節をつくって前の名詞を修飾
例
I can remember the time (when phones were still rare).
私は電話がまだ珍しかった時代を、思い出すことができる。
when から形容詞節が始まり、rare まで続いて、the time を修飾します。
関係副詞は関係代名詞と同じ役割で、形容詞節をつくり、前の名詞を修飾します。
関係副詞自体は訳しません。
「文の構造」はこの本を参考に作成しています。